営業などビジネスで使える心理テクニック22選
今回はビジネスで使える心理テクニックについて紹介したいと思います。これらのテクニックを理解して活用することで、人間関係を良好に保ちながら、ビジネスを成功に導くことができます。それでは、さっそく見ていきましょう。
関係構築に使える心理テクニック
単純接触効果
単純接触効果とは、人がある対象に何度も接触することで、その対象に対して好感や親近感を抱くようになるという心理現象のことを指します。ビジネスにおいては、商品やブランドの浸透を促進するために利用されます。例えば、広告やプロモーションを繰り返し行い、商品の知名度を高めることができます。また、直接的な営業活動においても、何度も接触することで相手との信頼関係を構築することができます。
- 商品やブランドの浸透:単純接触効果を利用することで、商品やブランドの浸透を促進することができます。
- 信頼関係の構築:何度も接触することで、相手との信頼関係を構築することができます。
- 購買意欲の促進:単純接触効果を利用することで、購買意欲を高めることができます。
単純接触効果を利用することで、商品やブランドの浸透を促進し、顧客との信頼関係を構築し、購買意欲を高めることができます。ただし、過剰な利用は逆効果になることがあるため、適切なバランスを保つことが重要です。
好意の返報性
好意の返報性とは、自分に対して好意を示した相手に対して、同じような好意を返す傾向がある心理現象のことを指します。ビジネスにおいては、商品の提供やサービスの提供など、顧客との関係性を深めるために利用されます。例えば、顧客に対して無料サンプルを提供することで、好意を引き出し、その後の購買意欲を高めることができます。また、顧客からの要望に対して、丁寧に対応することも有効です。
- 顧客との信頼関係構築:好意の返報性を利用することで、顧客との信頼関係を構築することができます。
- 購買意欲の促進:顧客から好意を引き出すことで、その後の購買意欲を高めることができます。
- 顧客満足度の向上:顧客に対して良い印象を与えることで、顧客満足度を向上させることができます。
ビジネスにおいては、商品やサービスを提供するだけでなく、顧客との関係性を大切にすることが重要です。好意の返報性を利用することで、顧客との信頼関係を構築し、購買意欲を高め、顧客満足度を向上させることができます。ただし、過剰な利用は相手の信頼を損なうことにつながるため、適切なバランスを保つことが重要です。
ミラーリング効果
ミラーリング効果とは、相手の仕草や話し方、表情などを自分自身がまねることで、相手との親近感や信頼関係を深めることができる心理効果です。ビジネスにおいては、営業や交渉の場面で相手とのコミュニケーションを円滑に進めるために利用されます。また、広告やプロモーションなどの間接的なシーンでも、消費者との親近感を高めるために利用されることがあります。
- 信頼関係の構築:相手との仕草や話し方をまねることで、相手との親近感や信頼関係を深めることができます。
- コミュニケーションの円滑化:相手と同じペースやトーンで話すことで、コミュニケーションの円滑化が図れます。
- ポジティブな印象を与える:相手の行動や表情をまねることで、自分自身が親しみやすい印象を与えることができます。
ミラーリング効果を利用することで、相手との親近感や信頼関係を構築し、コミュニケーションの円滑化を図ることができます。ただし、あまりにも強制的にまねすぎると不自然になってしまうため、程度を考えながら利用することが大切です。
バックトラッキング(オウム返し)
バックトラッキングとは、相手の発言を繰り返してから自分自身の意見を述べることで、相手との共感や理解を深める心理効果です。営業や交渉の場面では、相手の意見に対して自分自身の意見を強く主張するのではなく、相手の意見をしっかりと理解し、その上で自分自身の意見を述べることで、相手との信頼関係を構築することができます。また、広告やプロモーションなどの間接的なシーンでも、消費者との共感を深めるために利用されます。
- 相手との信頼関係を構築:相手の発言に対して真摯に向き合い、共感や理解を示すことで、相手との信頼関係を構築することができます。
- コミュニケーションの円滑化:相手の発言を繰り返すことで、相手との共通点を見つけ、コミュニケーションの円滑化が図れます。
- 問題解決力の向上:相手の発言を繰り返すことで、自分自身が相手の意見を深く理解し、問題解決力を高めることができます。
バックトラッキングを利用することで、相手の発言を真摯に受け止め、共感や理解を示すことができます。営業や交渉の場面では、相手の意見をしっかりと理解し、その上で自分自身の意見を述べることで、相手との信頼関係を深めることができます。広告やプロモーションなどの間接的なシーンでも、バックトラッキングを利用することで、消費者との共感を深めることができます。
ウィンザー効果
第三者が発信した情報のほうが信頼されやすいという心理効果のことです。例えば、ある商品やサービスの魅力を自社でアピールした情報よりも、ユーザーレビューや口コミの方が信頼されやすく購買に繋がりやすい等があげられます。
- 顧客の購買意欲を高めることができる。
- 商品や会社に対するイメージを良くすることができる。
- 競合他社よりも優位に立つことができる。
インタビュー効果
人に質問をすることで、相手の自己開示を促すことができます。例えば、商品のアンケート調査を実施することで、顧客のニーズを把握し、商品改善につなげることができます。
- ニーズ把握
- 商品改善
- 顧客ロイヤルティ向上
ネームコーリング
相手の名前を呼ぶことで、相手との親近感を生み出す効果があります。例えば、接客時に顧客の名前を覚えて呼ぶことで、相手との親近感を深め、商品の購入につなげることができます。
- 親近感向上
- 顧客ロイヤルティ向上
- リピート率向上
フォローアップクエスチョン
相手の話に対して、詳しく追加質問をすることで、相手とのコミュニケーションを深める効果があります。例えば、顧客が商品の使い心地について話した場合、「それはどのように感じたのですか?」と詳しく聞くことで、相手とのコミュニケーションを深め、商品の改善点を把握することができます。
- コミュニケーションスキル向上
- 顧客ロイヤルティ向上
- 商品改善
新規営業に使える心理テクニック
フット・イン・ザ・ドア
小さな依頼を受け入れた後、その後に大きな依頼を行うことで、相手の協力を得やすくする効果です。例えば、営業マンが商品の小さなサンプルを渡した後、その後に本格的な商品を販売することが有効です。
- 受注確率向上
- 信頼関係構築
- 商品の紹介
ドア・イン・ザ・フェイス
大きな依頼を拒否された後、小さな依頼を行うことで、相手の協力を得やすくする効果です。例えば、営業マンが最初に大きな商品の購入をお願いし、断られた後、小さな商品の購入をお願いすることが有効です。
- 受注確率向上
- 信頼関係構築
- 相手の好意
両面提示
メリットとデメリットの両方を伝えることを「両面提示」と呼びます。一方でメリットまたはデメリットの片方だけを伝えることを「片面提示」と呼びます。片面提示よりも両面提示の方が信頼を得やすいとされています。
- 選択のサポート
- 商品の提案
決定回避の法則
複雑な決定を迫られた場合、簡単な決定を選びがちな効果のことです。言い換えれば、「選択肢が増えるほど人は選べなくなる」という心理効果となります。
提案・提示する商品が複雑で多すぎる場合、どれを選べばよいのかと悩んでしまう可能性が高くなり、 選択肢が多ければ多いほど意思決定の邪魔になります。
- 決定の促進
- 顧客の協力
メラビアンの法則
人と人とのコミュニケーションにおいて、相手に与える影響の割合が、言語情報はわずか10%に満たず、非言語情報が90%以上を占めるという法則です。実際に、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%という割合で影響を与えるという心理学上の法則の1つです。
- 商品のアピール
- 顧客の理解促進
バーナム効果
バーナム効果とは、多くの人に当てはまることを言われているにもかかわらず「自分のことを指しているのだ」と錯覚してしまう心理的効果のことです。 例えば、占い師に「あなたは今悩んでいることがありますね」と言われると、多くの人は「この占い師は本物だ!」と感じます。
個人の特性を利用して、その人に合わせたアプローチをすることで、協力を得やすくする効果もあり、例えば、相手の興味や関心に合わせた商品の提案や、相手の名前を呼びかけることが有効です。
- 相手の理解促進
- 信頼関係構築
- 協力の促進
カタルシス効果
不安や不満・ストレス・イライラや悲しみなどネガティブな感情を言葉にするとそれらが緩和され、安心感を得られる心理効果のことです。例えば、顧客からの苦情や要望に対して、適切な対応をすることで安心感を持たせ満足度向上させることができます。
- 顧客満足度の向上
- トラブル回避
ピークエンドの法則
体験におけるピーク(最高潮)とエンド(最終結果)に焦点を当て、その体験全体を評価する際にそのピークとエンドによって決まるという法則です。
例えば、レストランでの食事体験において、料理のクオリティが重要な要素であることは間違いありませんが、サービスの提供方法や、チェックアウトの手続きなど、その後の顧客の体験に大きな影響を与えることもあります。
- 顧客満足度の向上
- リピート率の向上
- 口コミ効果
オープンクエスチョン
開放的な質問をすることで、相手の考えを引き出し、より深いコミュニケーションを行うことができます。例えば、営業担当者がクライアントに対して「お客様のビジネスにとって重要な課題は何でしょうか?」と尋ねることで、お客様のニーズを把握することができます。
オープンクエスチョンの活用方法は様々で、会議やプレゼンテーションの場で意見を求めたり、顧客とのコミュニケーションで質問を投げかけたりすることができます。オープンクエスチョンを使うことで、相手が自分の意見や考えを自由に話しやすくなり、より深い情報や洞察を得ることができます。
- 顧客の意見や要望の把握
- 顧客とのコミュニケーションの深化
分析麻痺
過剰な情報によって、判断力や決断力が低下する現象のことです。顧客には、必要な情報だけを提供し、決定を促すことが重要です。
- 顧客の決定力向上
- 決定の促進
販売促進に使える心理テクニック
バンドワゴン効果
大多数が支持するものは正しいと考える傾向のことです。商品の良さを多くの人に知ってもらうことで、商品の信頼度を高めることができます。
例えば、広告で「人々が選ぶ中で一番人気の商品」といった文言を使うことで、その商品を選ぶ人が増える可能性があります。また、SNS上である商品やサービスが「トレンドになっている」という情報が拡散されることで、その商品やサービスを購入する人が増えることもあります。
- 商品の信頼度向上
- 口コミ効果
プロスペクト理論
人々がリスクと利益の間で選択を行う際に、可能性のある損失や利益の大きさ、確率などを比較し、心理的な影響を受けるという理論です。
この理論では、人々は損失を避ける傾向が強く、同じ金額の利益よりも損失を回避する方がより強い影響を持つとされています。例えば、100ドルを失う可能性が50%の場合、50ドルを失う可能性が100%の場合よりも、前者の方がより恐ろしいと感じるとされています。
- 顧客の関心を引きつけ
- 商品の魅力を高めることができる
フレーミング効果
情報を受け取る際にその情報の言い回しや文脈によって、人々の意思決定や行動が影響を受ける現象です。例えば、同じ情報を「9割成功する」と「1割失敗する」というフレームで提示すると、前者の方がより魅力的に映ります。このように、情報のフレーム(枠組み)が意思決定や行動に影響を与えることがフレーミング効果です。
ビジネスの観点で言えば、広告やマーケティングで商品を訴求する際に、フレーミング効果を活用することが重要です。例えば、商品の利点を「この商品は健康的で安全です」というフレームでアピールすると、消費者は健康志向や安全志向に共感しやすくなります。また、商品の欠点を「この商品は値段が高いです」というフレームで提示すると、消費者はその商品を高級品として認識し、購入意欲が高まることがあります。
- 商品の魅力向上
- 顧客の判断や行動の変化
ハロー効果
ハロー効果とは、第一印象が好意的な場合、その人全体に対して好意的に評価してしまうという心理現象です。例えば、美人な人がいい人だと思い込んでしまい、実際には性格が悪かったとしても、美人という第一印象が残り、それを引きずってしまうことがあります。
商品のパッケージや広告において、魅力的な第一印象を与えることが重要です。
- 商品の信頼度向上
- 購買意欲の促進
まとめ
これらの心理テクニックをビジネスの直接的な場面や広告・プロモーションなどの間接的な場面で活用することで、顧客とのコミュニケーションを深め、商品の魅力を高めることができます。商品やサービスの認知度向上や顧客ロイヤルティの向上などの効果が期待できます。
以上、ビジネスで使える心理テクニックと題してご紹介いたしました。
参考になれば幸いです。